月別アーカイブ: 2020年 1月

司法研究

裁判所は,裁判を行うだけではなく,裁判をよりよく行えるような研究や検証を行っており,それが「司法研究」という形でまとめられ,発表されます。
近年は,刑事事件に関しても,重要な司法研究が発表されています。
基本的には,裁判をよりよく行うための内容が書かれているため,被告人にとってメリットとなることが書かれています。
もっとも,時には,裁判を早く終わらせることに力を注ぎすぎるあまり,十分な防御をすることをないがしろにするような記述があったり,裁判員裁判において,評議を円滑に行うことに力点を置きすぎて,公判前整理手続という裁判の準備手続きで,裁判所の過剰な介入を許して,当事者主義をないがしろにしてしまう可能性のある記述があるなどもします。
この点に関して,弁護士会として,あるいは個々の事件における弁護人としても,対抗する必要があるため,しっかりと研究し,対応策を身に着ける必要があります。
このように,裁判所・弁護士会,検察庁が互いに研究し,批判し,裁判を行うことで,刑事裁判はどんどんと進化しています。
そのため,刑事事件を日常的に取り扱わなければ,どんどんその進化から取り残されることになります。
弁護士法人心では,刑事研究会というチーム作り,法律改正にとどまらず,最近の司法研究の勉強会や,それらに関する協議会の検討などを通じて,日々検討,研鑽を積んでいます。
刑事事件のご相談があれば,お気軽にお問い合わせください。

所持品検査問題

昨年,大きな話題になった問題として,裁判所における所持品検査の問題があります。
これは,刑事事件の判決の際に,被告人が暴れたことなどに端を発したものです。
この事件を受けて,各地方裁判所は,保釈中の被告人について,判決の際に所持品検査を一律で行うようになりました。
東京地方裁判所のように大きな裁判所では,被告人や一般傍聴者の区別なく,一律で,入り口で所持品検査を行っています。
これは,裁判所の施設管理権に基づくもので,裁判所という紛争を扱う公的施設では,むしろ必要な措置といえ,問題はありません。
問題なのは,刑事事件の特定累計の被告人に一律に所持品検査を行うものです。
これは,個々の裁判官が法廷で行使する法廷警察権に基づくものです。
そのため,法廷警察権を行使するためには,その具体的な必要性が認められる必要があります。
もっとも,保釈中の被告人には,例えば交通事故を起こしてしまった,粗暴的な傾向のない被告人もいるでしょうし,量刑傾向からして,ほぼ確実に執行猶予付きの判決になるような被告人もいます。
そのような被告人に対しても一律に所持品検査を行うことは,場合によっては,重大な人権侵害を引き起こす可能性もあります。
そのため,名古屋地方裁判所は,入り口ですべての入場者に所持品検査を行うようになりました。
本来は,岐阜などの比較的小さな裁判所でも同様の措置をとるべきですが,人的物的コストがかかるため,安易に導入できないという実情もあるようです。

岐阜県弁護士会の会館

私の所属している岐阜県弁護士会は,弁護士会館という建物があります。
これは岐阜地方裁判所の近くにある建物で,多くの弁護士などが出入りしています。
この建物には,相談室があります。
弁護士会は,定期的に法律相談を開いており,弁護士が交代で相談にあたっています。
無料の法律相談・有料の法律相談があります。
また,災害被害に特化した法律相談など,特定の分野に特化した相談を行っていることも特徴です。
弁護士法人心でも法律相談を行っており,刑事事件や交通事故,債務整理,相続などをお受けしていますが,災害被害などの法律相談などは,ノウハウの問題などからお受けできない場合もあります。
そのようなご相談には,弁護士会を探してみるのもいいかもしれません。
弁護士会館には岐弁ホールというホールもあります。
ここでは,弁護士の総会や研修が行われるほか,一般市民向けの市民講座や講演,シンポジウムなども行われることがあります。
そのほかにも,会議室があり,弁護士会の各委員会が,日々,会議などを行い,さまざまな案件を処理して,よりよいリーガルサービスを提供できるよう,各弁護士が努力しています。
弁護士会館は,弁護士の共有ですが,弁護士法人心にもセミナールームが東京・名古屋にあり,日々,さまざまなセミナーや勉強会,説明会などを行っています。
案件のご依頼のほかにも,さまざまな情報を提供できる機会ですので,こちらも奮ってご参加ください。

岐阜地方裁判所

私の所属する弁護士法人心岐阜駅法律事務所の最寄りの裁判所は,岐阜地方裁判所です。
岐阜のいわゆる本庁と呼ばれる裁判所です。
岐阜県内には,岐阜地方裁判所の支部が複数ありますが,刑事事件の裁判員裁判が行われるのは岐阜県内では,本庁の裁判所だけになります。
本庁には,刑事部は1部しかありませんが,合議体は2つありますので,同時に2つの裁判員裁判を行うことができます。
そのため,裁判員裁判ができる,大きめの法廷が2つあります。
裁判員裁判のできる法廷は,裁判官と裁判員合わせて9人が座れるようになっていますし,証拠をうつす大型のディスプレイがあったり,証人が書くことのできるタブレット,書類などをモニターに移す書画カメラなどの装置もあります。
また,証人尋問の内容を録音し,簡易的に文字化する音声認識システムなどもあります。
これらの装置はいずれも,使いこなすことで,証人尋問や弁論に説得力を持たすことができる重要なツールです。
もっとも,デジタルには限界もありますので,依然として,おおきな紙に書き込むスタイルが有用な場合もありますし,どのツールを使うかは弁護人のスキルの一つとも言えます。
岐阜地方裁判所は,決して大きな建物ではありませんが,比較的新しい建物ですので,きれいですし,設備も充実しています。
駐車場も十分にあります。
ただし,JR岐阜駅,名鉄岐阜駅からは,歩くとかなりかかるため,車がなければ,バスやタクシーを利用しなければならないという点が不便とも言えます。
もっとも,近くにメディアコスモスという大きな図書館ができましたし,今後は,道路の反対側に新しい市役所もたちますので,裁判所の一角は便利になっていくのは間違いありません。