「任意整理」に関するQ&A
2回目の任意整理はできますか?
1 任意整理後に一括請求される場合
一度任意整理をした場合でも、入院や転職によって今までどおりの収入が途絶えてしまったり、急な出費が発生したりして途中で支払いができなくなることがあります。
通常、任意整理だと、2回分以上滞納があると期限の利益を喪失するという条項がついた和解をすることが多く、数か月にわたって返済ができないと一括で請求を受けることになります。
2 2回目の任意整理ができるか
このような場合、2回目の任意整理をすることを検討することがあります。
任意整理は、債権者である貸金業者やカード会社と交渉をして和解をまとめる手続ですので、2回目の任意整理ができるかは、債権者の意向次第です。
たとえば、1回目の任意整理をしてから一度も返済をしていなかったり、1回目の任意整理をした直後だったりするときは、債権者からの信用を得られず2回目の任意整理ができない場合があります。
一方で、そのような事情が無ければ、2回目の任意整理の交渉自体が断られることは少ないです。
2回目の任意整理がまとまった場合は、その時点から分割払いとなって毎月の返済額を少なくすることや毎月の返済額は変えずに完済時期のみを遅らせることが可能となります。
3 具体例
⑴ 1回目の任意整理
たとえば、1回目の任意整理のときに債務額180万円を5年間(60回)で分割して支払う和解をしていて、ちょうど2年間返済したタイミングで支払いができなくなったときを考えます。
このとき、1回目の任意整理では毎月3万円を返済することとなっており、2年間返済したタイミングでの債務額は108万円です。
⑵ 2回目の任意整理の結果どうなるか
支払いができなくなった理由が入院等で一時的に収入がなくなったことであり、近いうちに退院の見込みがあって職場復帰すれば以前の収入を継続的に得る見込みがあるという状況の場合、毎月の返済額はそのまま3万円として、支払ができなかった数カ月だけ返済期間をずらすという和解をすることになります。
一方で、支払いが出来なくなった理由が、転職等で収入が減少したり子の進学等で支出が増大したりして、1回目の任意整理と比べて返済に回すことができるお金が少なくなったことであれば、以前と同じ返済額を支払うという和解はできません。
その場合は、たとえば、その時点からさらに5年分割での交渉を行うことで毎月の返済額を1万8000円に抑えることを狙うことが考えられます。
4 2回目の任意整理ができない場合
万が一、失職等で今後しばらくの間収入の見込みが無かったり、債権者との話し合いがまとまらなかったりすると、2回目の任意整理はできません。
その場合には、任意整理ではなく、自己破産や個人再生といった別の債務整理の方法を決断しなければならないこともあります。
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