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弁護士法人心 岐阜法律事務所

高次脳機能障害の異議申し立て

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2020年12月17日

1 高次脳機能障害とはどのような後遺障害か

交通事故で,頭部に大きな衝撃を受けて,脳挫傷等の外傷性の脳損傷が生じた場合には,事故直後の救命に成功したとしても,その後,認知機能の低下や,人格の変化などの症状が残ってしまうことがあります。

このような症状を,「高次脳機能障害」と呼びます。

2 高次脳機能障害の症状

高次脳機能障害の症状の表れ方には,方向感覚が著しく低下したり,昔のことは記憶しているけれども新しいことを記憶できなくなったり,極端に怒りやすくなって人間関係でトラブルを頻発するようになったりと,様々なケースが存在します。

3 高次脳機能障害の後遺障害等級

高次脳機能障害の症状が仕事や日常生活に与える影響の大きさも症状の種類や程度によって,大きいものから小さいものまであります。

そこで自賠責保険における後遺障害等級の認定制度上では,高次脳機能障害は「神経系統の障害」として,その障害の程度に応じて,1級から9級までの範囲で認定を受けることとなります。

具体的には,1級1号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,常に介護を要するもの」,2級1号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,随時介護を要するもの」,3級3号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,終身労務に服することができないもの」,5級2号「神経系統の機能又は精神に著しい障害を残し,特に軽易な労務以外の労務に服することができないもの」,7級4号「神経系統の機能又は精神に障害を残し,軽易な労務以外に服することができないもの」,9級10号「神経系統の機能又は精神に障害を残し,服することができる労務が相当な程度に制限されるもの」があります。

4 高次脳機能障害の異議申し立て

このように,高次脳機能障害では,介護の必要性の有無・程度,就労能力の有無・程度等の事情により,等級が異なり,その判断は,医師の作成する後遺障害診断書の他に,被害者の近縁者が作成する「日常生活報告書」や,医師が作成する「神経系統の障害に関する医学的意見」等の提出書類に基づいて行われます。

そのため,初回の後遺障害申請の認定結果に不満があり,異議申立てをするとしても,一度認定された等級を覆すだけの新たな事情を提示することは容易ではありません。

もし異議申立てによって高次脳機能障害の等級の昇級を求めていくのであれば,弁護士にご相談いただくことをおすすめいたします。

高次脳機能障害についての知識を持つ弁護士であれば,詳細に被害者の症状などを聴き取って陳述書等にまとめたり、新たな意見書を取り付けるなどの対応を行った上で,異議申し立てを行うことが考えられます。

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