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弁護士法人心 岐阜法律事務所

個人再生で友人からの借金だけ別に返済することはできますか?

  • 文責:所長 弁護士 古田裕佳
  • 最終更新日:2022年3月15日

1 個人から借金がある場合の個人再生

「毎月の返済が苦しく借金を減額したい」「住宅ローンのある家は残したいが借金の返済額を減らしたい」といったことで悩んでおり、個人再生を検討されている方の中には、友人からも借金をしているという方がいらっしゃるかもしれません。

そして、友人から借金をしている場合、友人との関係性を壊したくない、迷惑をかけたくないとの思いから、友人への借金だけはちゃんと返済したいと考えている方が多いと思います。

では、個人再生をする場合に、友人からの借金だけ返済をすることは許されるのでしょうか。

2 友人にだけ返済をすることは許されない

結論から申し上げると、個人再生をする場合には、友人にだけ返済をすることは許されません。

個人再生の手続きでは、すべての債権者を平等に取り扱わなければならないというルールがあります(債権者平等の原則)。

そして、友人も銀行や消費者金融会社等の金融機関と同様に債権者の一人であることから、友人にだけ返済をしてしまうことは、他の債権者との間で不平等が生じてしまいます。

このような行為は「偏頗弁済」と呼ばれ、債権者平等の原則に反する行為として許されません。

3 友人に返済を行ってしまった場合どうなるか

⑴ 清算価値に上乗せされる

個人再生において減額される借金の金額を決定する基準の一つに、清算価値というものがあります。

清算価値とは個人再生をする者の全財産の金額を意味します。

そして、友人にだけ返済をしてしまった場合、本来はその返済は許されるものではなく、その返済がなければその分清算価値の金額が高くなっていたはずであることから、友人の返済した金額は清算価値に上乗せして考えるべき場合も出てきます。

これによって、減らされる借金の金額が少なくなってしまう可能性があります。

⑵ 個人再生が認められないリスクもある

友人にだけ借金を返済する偏頗弁済という行為は本来許されない行為である以上、そのような行為があった場合には、個人再生手続が不当な目的でなされたものであるとか、誠実になされたものではないとして、個人再生の申立てが却下されてしまうリスクがあります。

友人との関係性があるため、友人にだけは返済をしたいという気持ちは分かりますが、リスクの高い行為であるため、避けた方がよいでしょう。

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