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「交通犯罪」に関するお役立ち情報
実況見分の注意点
- 最終更新日：2023年9月21日
１ 実況見分とは
実況見分とは、捜査機関が現場を検証し、事実確認や証拠保全を行う手続きのことを言います。
例えば、過失運転致死傷罪など交通事故における場合には、警察が事故現場に赴き、事故の加害者・被害者・目撃者等の立会の下、路面の状況や見通し、幅員の計測、タイヤ痕の有無などを確認し、事故態様を把握するために必要な作業を行います。
２ 実況見分調書
実況見分が行われると、その結果を記載した実況見分調書が作成されます。
この実況見分調書には、見分した日時・場所、立会人の有無・氏名などが記載され、現場写真が添付されたりします。
３ 実況見分の立会で注意すべき理由
実況見分の結果は、実況見分調書に示されます。
この実況見分調書は、刑事裁判においては、検察官提出証拠の１つなり、また、客観的な証拠ですので、裁判官の判断に対し重要な役割を果たすこととなります。
また、民事裁判において、特に交通事故案件の場合は、過失割合を考慮するために、重要な役割を果たすこととなります。
そのため、仮に自分の記憶と異なる実況見分調書が作成されてしまうと、その記憶と異なる証拠によって処罰されかねないこととなってしまいますので、実況見分調書作成（実況見分立会）には注意が必要なのです。
４ 実況見分の注意点
実況見分に立ち会う場合、以下のような点に注意が必要です。
⑴ 冷静かつ正確に
当時の状況をよく思い出し、警察官に冷静かつ正確に伝えることが必要です。
例えば、交通事故の場合、相手方の車両にどの地点で気づいたのか、そのときの速度は何キロぐらいであったのか、など正確に説明してください。
仮に、異なる説明をしてしまった場合、あとで実況見分調書に基づき計算してみたら相当な高速で走行していた、という事態になりかねません。
⑵ 妥協しない
被害者と加害者との証言に食い違いが生じることはありえます。
そのような場合、他方当事者の言葉に流されてしまったり、警察官に言葉に流されてしまい、自分の記憶と異なる説明をしてしまう恐れがあります。
ただ、実況見分調書は裁判で証拠となる重要なものです。
安易に他者の言葉に流されないようにすることが大切です。
⑶ メモを取っておく
実況見分が事件直後に行われる場合には、記憶が鮮明ですので、その記憶のまま説明することになります。
しかし、実況見分が後日となることがあり、その間に記憶が薄れていくことがあります。
そのため、実況見分がすぐに行われない場合には、記憶が鮮明なうちに、メモなどを残しておくのが良いでしょう。
>⑷ 実況見分調書の確認を忘れずに
説明した内容が正確に記載されているか、実況見分調書の確認を行うことも大切です。
５ 実況見分の立会を拒否できる？
実況見分について、立会を拒否することもできますが、立会を拒否した場合、相手方のみの立会により実況見分調書が作成されることになってしまいます。
実況見分調書は刑事事件においても民事事件においても重要な証拠となるものですので、相手方当事者のみの言い分で作成された調書だけでなく、自分の言い分が反映された実況見分調書もあった方が良いでしょう。
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